ミニ四駆モーターのブラシには、「銅」と「カーボン」の2種類があります。
その中でもダッシュ系モーターに使われているカーボンブラシは、慣らしをすることでさらに高回転なモーターにすることも可能。
強度があって、削れづらいのが特徴のカーボンブラシ。
大切なのは、低電圧で熱を持たせないようにじっくり削っていくことになります。
✅この記事の内容
- カーボンブラシの特徴
- カーボンブラシの慣らし方
- カーボンブラシ慣らしの注意点
この記事では、カーボンブラシの慣らしについて。
カーボンブラシの特徴や、モーター慣らしの注意点も合わせて紹介します。
カーボンブラシの慣らしで必要なのは、低電圧で時間をかけて慣らしていくことです。
- 電圧の目安は1.5V
- 2〜3日かけて慣らす
- モーターに熱を持たせない
もちろん人によって、カーボンブラシの慣らし方も変わってきます。
ちょっとした電圧や時間の違い、慣らし用オイルの有無によっても慣らし方はさまざま。
しかし大切なのは、カーボンブラシの特徴。
カーボンブラシの慣らし方を知っておくことで、安定したモーター慣らしをすることができます。
慣らしにおすすめのモーターについては、こちらの記事で紹介しています。
カーボンブラシの特徴
ブラシが削れづらい
ダッシュ系モーターに使われているカーボンブラシの特徴としては、強度があって削れづらいという部分があります。
カーボンブラシの使われているダッシュ系モーターは、高回転なモーターが多いです。
なのでモーターのブラシの強度も必要なため、ブロック状のカーボンブラシが使われています。
このブロック状のカーボンブラシを削り、コミュテーターとの接触面を増やすのがモーター慣らし。
接触面積が増えることで通電効率が良くなり、モーターの回転数も上がってきます。
しかし強度のあるカーボンブラシということで、削れるのには時間が。
ブラシ圧が強いカーボンブラシにおいては、ゆっくり削ってブラシ圧を抜く必要があります。
モーターブラシの違いについては、こちらの記事で紹介しています。
慣らし用オイルで時間短縮
カーボンブラシのモーター慣らしにおいては、慣らし用のオイルが使われる場合も多いです。
モーターへのオイルの使用については、現段階ではグレーゾーン。
もちろんコースを汚したり、他のマシンに影響を与えない範囲での使用にはなってきます。
カーボンブラシ用のオイルとして多く使われているのは、慣らし用オイル。
オイルの成分によってカーボンブラシが削れやすくなるので、カーボンブラシの慣らし時間を短縮することができます。
オイルの種類によっても使い方は変わってきますが、一般的な使い方としては慣らし時間の短縮。
オイルを使わなくてもカーボンブラシの慣らしは可能ですが、時間をかけたくないという場合は使うのもひとつの方法になってきます。
モーター慣らし用のオイルについては、こちらの記事で紹介しています。
カーボンブラシの慣らし方
電圧の目安は1.5V
カーボンブラシの慣らしでは、電圧は1.5Vくらいが目安になってきます。
強度があって削れづらいカーボンブラシは、低い電圧で少しずつ削っていくのが最適。
実際条件を変えてカーボンブラシの慣らしをしてみても、結果は出ていました。
1.5V×20時間 | 1.0V×10時間 | 3.0V×6時間 | |
開封直後 | 26485 | 26566 | 27697 |
慣らし後 | 28100 | 27616 | 28262 |
慣らし方としては、アルカリ乾電池1本(1.5V)をワークマシンや電池ボックスにセット。
電池がなくなったら、正転逆転を入れ替えて新しい電池と交換。
これをアルカリ電池計8本、約20時間くらいかけてモーター慣らしを行っています。
もちろん、電圧設定のできるモーター慣らし機があればその方が安定。
電池交換の手間や、コスト的にも最適な方法になってきます。
おすすめのモーター慣らし機については、こちらの記事で紹介しています。
長時間(2〜3日)続ける
さらにカーボンブラシの慣らしとしては、しっかりと時間をかける必要もあります。
1.5Vの電圧に設定してモーター慣らしを行った場合、カーボンブラシが削れるのには時間がかかります。
もともと強度のある、カーボンブラシ。
なので実際にモーター慣らしを行ってみても、時間がかかるほどブラシが削れて回転数も上がってきました。
HDモーター | MDモーター | |
開封直後 | 26970 | 33995 |
24時間後 | 28585 | 34803 |
48時間後 | 29442 | 34987 |
72時間後 | 29451 | 34732 |
今回の結果の場合、回転数のピークは2日目くらい。
3日目になると、特に回転数の伸びはありませんでした。
この回転数の伸びについても、モーターの個体差やモーター慣らしの条件によっても変わる部分。
ただ銅ブラシとは違い、最適な状態までブラシが削れるのに時間がかかるのは間違いありません。
カーボンブラシ慣らしの注意点
高電圧は不均一に削れてしまう
カーボンブラシの慣らしにおいて、高電圧での慣らしはおすすめできません。
強度があって削れづらいカーボンブラシの場合、どうしても時間がかかってしまいます。
なので高電圧をかけることで、削れる時間を短縮できるのではと思う部分も。
しかし高い電圧で削ろうとした場合、ブラシを均等に削ることができません。
ブラシとコミュテーターの接触によって動いているモーターにとって、不均一な接触は性能にも影響。
高電圧でカーボンブラシを削った場合、高い電圧によってブラシが弾かれ、均等に削れない可能性も出てきます。
カーボンブラシ慣らしの電圧の目安が1.5Vとされているのは、均一にブラシを削っていくためという理由があります。
モーターに熱を持たせない
長時間の慣らしが必要なカーボンブラシについては、モーターの熱にも注意が必要です。
ミニ四駆のモーターは、通電しているほどモーター本体が熱を持ってきます。
この熱というのは、モーターの性能的にはデメリット。
場合によっては、この熱によってモーターの磁力が低下してしまう可能性もあります。
なのでカーボンブラシの慣らしでは、冷却用のファンやヒートシンクなども同時に使用。
モーターを冷やしながら慣らしていくことで、長時間の慣らしでもモーターが熱を持たないようにすることができます。
冷却用のファンの近くにモーターを置くことで、熱を逃がしながらモーターを回し続けることができます。
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冷却用のファンについては、こちらの記事で紹介しています。
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モーター慣らし後のメンテナンス
モーター慣らしが終わった後は、モーターのメンテナンスも必要になってきます。
長時間かけて削り続けたカーボンブラシの場合、細かな削りカスがモーターの内部に散らばっています。
このカーボンの削りカスがあることによって、モーターの性能に影響してくる可能性が。
なのでモーター慣らし後は、削りカスが残らないようにキレイにする必要があります。
慣らし後のモーター洗浄に最適なのは、エアーダスター。
モーターのエンドベルの隙間から吹き付けることによって、モーターの外に削りカスを飛ばすことができます。
他にもパーツクリーナーに漬けて振る方法もありますが、パーツクリーナーが乾いてから使い始める点には注意が必要。
さらに必要であれば、モーター内部のコミュテーターの保護をするオイルを注油。
オイルを挿すことでコミュテーターに保護膜ができ、モーター慣らし直後の状態で維持することができます。
カーボンブラシモーターの慣らし まとめ
カーボンブラシの慣らしで必要なのは、低電圧で時間をかけて慣らしていくこと。
- 電圧の目安は1.5V
- 2〜3日かけて慣らす
- モーターに熱を持たせない
ちょっとした電圧や時間の違い、慣らし用オイルの有無によっても慣らし方は変わってきます。
しかし大切なのは、カーボンブラシの特徴。
カーボンブラシの慣らし方を知っておくことで、安定したモーター慣らしをすることが可能です。
慣らしにおすすめのモーターについては、こちらの記事で紹介しています。
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