今のミニ四駆の加工改造として一般的なのが、「バンパーレス加工」。
シャーシのフロントやリヤを、使うバンパーに合わせてカットしていく加工になります。
バンパーレスにすることでバンパーの自由度が高くなり、同じシャーシでも強度や構造で違いを出すことができます。
✅この記事の内容
- バンパーカットに必要な工具
- バンパーカットの際のポイント
- バンパーカットのやり方
この記事では、ミニ四駆のバンパーカットについて。
まずは、バンパーカットに必要な工具や注意点。
さらに実際にカットしている方法を、各シャーシごとに紹介しています。
ミニ四駆のバンパーカットは、今のミニ四駆の改造には欠かせない加工になっています。
バンパーカットのメリット
- 軽量化:バンパー分の重さが減る
- 強度アップ:カーボンなどに替えることで剛性が増す
- 自由度が増す:バンパーやローラーの選択肢が増える
他にもギミックバンパーを取り付けることでコースへの引っかかりを減らしたり、マシンの見た目としてもカスタマイズ性がアップするメリットも。
ただしバンパーカットでむずかしいのは、シャーシによって加工の仕方が違うこと。
なので同じバンパーを使う場合でも、カットラインが違ってくる点がむずかしくなります。

今回使用したバンパーの作り方は、以下の記事で紹介しています。
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バンパーカットに必要な工具
薄刃クラフトのこ
シャーシのバンパーカットをする際は、タミヤの薄刃クラフトのこがおすすめです。
バンパーカットは、シャーシの切断加工になります。
なので大きくて薄い刃を持つ薄刃クラフトのこは、バンパーカット加工に最適です。
バンパーカットにおすすめの「のこ」
薄刃クラフトのこは、全長が約32cmと大きくて持ちやすいのが特徴。
刃の薄さも0.25mmなので、断面をキレイに仕上げることができます。
タミヤ製の工具としては、カッターのこもあります。
こちらでもバンパーカットの加工はできますが、刃先が柔らかく力も入りづらいため、バンパーカットのような広い範囲の加工には使いづらい場合も。
その点薄刃クラフトのこは、ミニ四駆のバンパーカット以外の加工でも大活躍。
最近ではいろいろな加工用治具が、薄刃クラフトのこに対応した作りになっているので使う場面も多くなっています。

ミニ四駆の加工をしていく上では、クラフトのこを手元に置いておけばさまざまな加工で使えるのでおすすめです。
商品リンク:タミヤ クラフトツールシリーズ 薄刃クラフトのこ
商品リンク:タミヤ クラフトツールシリーズ カッターのこ II
MSフレキの作り方については、こちらの記事で紹介しています。
ニッパー
細かい部分や切断面の加工には、 ニッパーも欠かせません。
バンパーカットでは薄刃クラフトのこによる広範囲のカットだけでなく、細かい部分の加工が必要になります。
そんな細かい部分の加工には、ニッパーがあることで作業効率も捗ってきます。
おすすめのニッパー
特に、シャーシの小さな凹凸部分の加工にはニッパーが大活躍。
クラフトのこ加工後のバリ部分はもちろん、各シャーシの立体的な構造部分の加工にも刃の小さいニッパーは使いやすいです。
スラスト角などにも影響してくるので、バンパーカットに合わせてしっかりと加工をしておく必要があります。
バンパーカットに使うニッパーも、刃が薄いものがおすすめ。
タミヤの薄刃ニッパーは、細かい加工に向いているので使いやすくなっています。
商品リンク:タミヤ クラフトツールシリーズ 先細薄刃ニッパー (ゲートカット用)
商品リンク:タミヤ クラフトツールシリーズ モデラーズニッパーα
ヤスリ
バンパーカット後の表面は、ヤスリで整える必要があります。
バンパーカットはもちろん、ミニ四駆の加工に欠かせないのがヤスリ。
カット後の表面を整えるだけでなく、組み立て時のバリ取りなどにもヤスリは欠かせません。
おすすめのヤスリ
薄刃クラフトのこなどでカットしたシャーシ表面は、細かな凹凸があります。
キレイにカットできたように見えても、実際よく見てみると断面はガタガタ。
バンパーカットする際は、この小さな凹凸によって仕上がりの精度が変わってきます。
細かなバリによってスラスト角に違いが出て、左右のローラーが合わなくなってしまうことがあります。
そんなトラブルを防ぐためにも、断面を整えるヤスリは必須。

特に仕上げには、目の細かいヤスリが必要になってきます。
商品リンク:タミヤ クラフトツールシリーズ ベーシックヤスリセット
商品リンク:タミヤ メイクアップ材シリーズ フィニッシングペーパー
商品リンク:タミヤ メイクアップ材シリーズ タミヤ研磨スポンジシート
おすすめのヤスリについては、こちらの記事で紹介しています。
バンパーカットの際のポイント
剛性と強度を考慮する
シャーシのバンパーカットをする際は、カット後のバンパー強度に注意が必要です。
シャーシのバンパーをカットするのは、軽量化になる反面、バンパー強度を落とすことにもなります。
カーボンの剛性やFRPも2枚重ねにすることで強度を出すことはできますが、シャーシと一体になっている既存バンパーと比較するとやはり強度は落ちる部分も。
ミニ四駆のシャーシは、コースを走行中の衝撃も考えて作られています。
特にコースの壁にローラーを当てて走るミニ四駆においては、シャーシやバンパーにかかる負担は大きい。
バンパーの強度が落ちてしまうと、走行中のトラブルにもつながります。
走行中の衝撃によって、ローラーのスラスト角が変化。
また衝撃の大きさによっては、バンパーの付け根部分が破損してしまう場合も。

なのでバンパーカットをする際は、しっかりとした補強をしないと強度が落ちる点には注意が必要です。
ステー用の穴を残す
バンパーカットする際のカットラインは、バンパー取り付け用のビス穴を残すことが重要です。
バンパーカット後は、カーボンやFRPなどでバンパーを取り付ける必要があります。
その際は、シャーシの既存のビス穴を使ってバンパーを取り付けることに。
そんなバンパー取り付け用のビス穴としては、リヤバンパーなどと同じ幅のビス穴が使いやすいです。
リヤ用のプレートを加工することでバンパーの土台としても使いやすく、シャーシに合わせたバンパーを取り付けることが可能に。
実際のカットラインはシャーシや使うバンパーによって変わってきますが、バンパー取り付け用のビス穴は必要。

シャーシ既存のビス穴をうまく残してカットすることで、カット後のバンパー取り付けにも苦労しません。
スラスト角に注意
バンパーカット後は、バンパーやローラーのスラスト角の変化にも注意が必要になります。
ミニ四駆において、ローラーの角度、スラスト角は重要。
特にフロントローラーのスラスト角はコーナリングなどでマシンを押さえつける力にもなるので、ある程度の角度が必要になってきます。
そんな重要なスラスト角ですが、バンパーカットの仕方によっては変わってくる点に注意。
なのでそのままローラーを取り付けた場合、ローラーのスラスト角としては「0°」に。
スラスト角のついていない状態ではコーナリングでのコースアウト確率も高くなってくるので、バンパー自体やローラーに角度をつけていきます。
バンパーの付け根部分にワッシャーを挟んで角度をつけたり、スラスト調整用のプレートを挟んでの調整が必要です。
ただし逆に、バンパーカットした状態でスラスト角がついてしまうシャーシもあります。
上向きに角度がついてしまうため、そのままローラーを取り付けるとアッパースラストになって逆効果。
上向きはブレーキとしては使いやすいですが、ローラーのスラスト角の調整は必要になってきます。
バンパーカットした際のシャーシ断面によっても、スラスト角は変化。

カット後の表面をしっかりとヤスリなどで仕上げることで、取り付けたバンパーが斜めになってしまうトラブルも防ぐことが可能です。
ローラーのスラスト角については、こちらの記事で紹介しています。
バンパーカットのやり方
MSシャーシ
フロントバンパーの加工
MSシャーシのバンパーカットは、ユニット部分をガイドにすることで真っ直ぐにカットすることができます。
- STEP1ユニットカバー部分のビス穴を残す
- STEP2ユニットカバー部分をガイドに刃を入れる
- STEP3必要に応じて切断面の両端部分もカット
- STEP4カットした断面をヤスリがけ
- STEP5残したビス穴をガイドにバンパー取り付け
ポイントは、ユニットカバーの取り付け部分をガイドにすること。
シャーシに密着させることで、強度面やスラスト抜けなどの対策にもなってきます。
今回のカットラインは、あくまでも目安。
取り付けるバンパー形状によっては、もう少し余裕を残してカットすることも可能になってきます。
リヤバンパーの加工
MSシャーシのリヤバンパーのカットも、ユニットカバーの取り付け部分をガイドに行っていきます。
- STEP1リヤユニットカバー部分のビス穴を残す
- STEP2ユニットカバー部分をガイドに刃を入れる
- STEP3カット断面の両端部分もカット
- STEP4カットした断面をヤスリがけ
- STEP5残したビス穴をガイドにバンパー取り付け
リヤのバンパーカットのポイントは、ユニットカバーを取り付けた状態でカットしていくこと。
薄刃クラフトのこの刃がズレてしまうことも少なくなるので、カットもしやすいのがポイント。
リヤバンパーについては、ビス穴に合わせてそのまま取り付けが可能。

取り付けるバンパーによっては、シャーシのボディキャッチ部分も切り落としておくのがおすすめです。
MSシャーシやMSフレキについては、こちらの記事で紹介しています。
VZシャーシ
フロントバンパーの加工
VZシャーシのバンパーカットの場合、カットよりもアンダーガードの加工の方が大切になってきます。
- STEP1フロントバンパーを取り外す(必要に応じて少し加工)
- STEP2シャーシ底面に合わせてアンダーガードを罫書き
- STEP3罫書き線に合わせてアンダーガードを加工
- STEP4アンダーガードを取り付け
- STEP5フロントバンパーを取り付け
VZシャーシのバンパーカットとしては、フロントバンパー部分を取り外すだけ。
必要に応じてちょっとした加工は必要になりますが、基本的には取り外すだけでバンパーカットできる作りになっています。
ただしVZシャーシの場合、フロントバンパー底面のアンダーガードの加工が大切になります。
なのでそのままではアンダーガードと干渉してしまうので、ランナーに合わせて加工していく必要が。
ランナーに合わせて加工をしておかないと、アンダーガードをピッタリと取り付けることができません。
キツく取り付けてしまうとシャーシが歪む原因にもなってしまい、タイヤの3点接地などの原因にもなってしまうので注意が必要です。
リヤバンパーの加工
VZシャーシのリヤバンパーカットに関しては、基本的に加工が不要な作りになっています。
- STEP1リヤバンパーを取り外す
- STEP2ボディキャッチ部分を切り落とす
- STEP3リヤバンパーを取り付け
VZシャーシのリヤバンパーについては、取り外すだけでバンパーカットが完了。
リヤバンパー用のステーもほとんどのプレートが使用できるので、バンパー作りに困ることも少ないのが特徴。
ただリヤバンパーを取り付ける際は、ボディキャッチ部分が干渉してきてしまうことが多いです。

なのでほぼ唯一の加工として、ボディキャッチ部分については切り落としておく必要があります。
VZシャーシについては、こちらの記事で紹介しています。
FM-Aシャーシ
フロントバンパーの加工
FM-Aシャーシのバンパーカットは、シャーシが少し斜めに作られている部分に注意が必要です。
- STEP1ベアリングなどをガイドにカットラインを決める
- STEP2カットラインに合わせてバンパー部分をカット
- STEP3切断面をヤスリがけ
- STEP4アンダーガードを取り付け
- STEP5必要に応じてフロントの強度を補強
バンパーのカットラインとしては、ベアリングやハイマウントチューブスタビをガイドにすることでかんたんに合わせることができます。
ベアリングなどをガイドにした場合、多少斜めのカットラインになる点に注意して加工していく必要があります。
さらにFM-Aシャーシの場合、加工後のフロント部分は多少脆弱に感じる部分も。

特にボディの取り付け部分周辺は肉抜きされている部分が多いので、カットした後は補強も必要になってきます。
リヤバンパーの加工
リヤバンパーについては、付属のバンパーを取り外すだけでかんたんにバンパーレスにすることができます。
- STEP1リヤバンパーを取り外す
- STEP2必要に応じてステーと干渉する部分をカット
- STEP3リヤバンパーを取り付け
FM-Aシャーシも、VZシャーシのように付け外し可能なリヤバンパーになっています。
なのでほとんどの場合、付属のバンパーを取り外すだけでバンパーレスは完了。
ただしリヤにバンパーを取り付ける場合は、ビス穴部分の角度には注意が必要です。
干渉したまま取り付けてしまうとリヤバンパーが歪んでしまうので、ニッパーなどで必要な範囲を切り落としておく必要が。
FM-Aシャーシは前後共にステーと干渉する部分があるので、使用するステーに合わせて加工しておくことも必要になります。
FM-Aシャーシについては、こちらの記事で紹介しています。
MAシャーシ
フロントバンパーの加工
MAシャーシのバンパーカットは、使用するバンパーによってもカットラインが変わってきます。
- STEP1バンパーに合わせてカットラインを決める
- STEP2カットラインに合わせてバンパー部分をカット
- STEP3切断面をヤスリがけ
- STEP4アンダーガードを取り付け
- STEP5アンダーガードを使う場合はスラスト調整
MAシャーシのバンパーカットラインは、使うバンパーに合わせて調整するのがポイント。
少ないカットでも使えるバンパーがあるので、初心者にもバンパーカットしやすくなっています。
ただしMAシャーシにアンダーガードを取り付ける場合は、バンパーのスラスト角に注意が必要。
バンクスルーなどを考えると使いやすい角度になっていますが、バンパーを取り付けるとアッパースラストになってくる点には注意。

角度調整用のプレートを挟むなどして、バンパー自体のスラスト調整が必要になってきます。
リヤバンパーの加工
MAシャーシのリヤバンパーは、カットラインによってはリヤバンパーのガタつきを抑えることができます。
- STEP1シャーシに近い部分のビス穴をバンパー取り付け用に残す
- STEP2ベアリングなどをガイドに真っ直ぐカット
- STEP3バンパーと干渉してくる部分をニッパーなどでカット
- STEP4切断面をヤスリがけ
- STEP5ボディキャッチを切り落としてバンパー取り付け
MAシャーシはシャーシ自体の硬さがあるので、薄刃クラフトのこなどの力が入りやすい工具で加工するのがおすすめ。
特にシャーシ底面は斜めに作られている部分もあるので、ガイドを付けて加工する方が失敗も少なくなります。
取り付けるバンパーによっては、リヤバンパーのカットラインを抑えにすることもできます。
リヤアンカーなどの可動域を制限する場合、カットラインを調整することでガタつきを無くせます。
MAシャーシについては、こちらの記事で紹介しています。
バンパーカット まとめ
ミニ四駆のバンパーカットは、今のミニ四駆の改造には欠かせない加工です。
バンパーカットのメリット
- 軽量化:バンパー分の重さが減る
- 強度アップ:カーボンなどに替えることで剛性が増す
- 自由度が増す:バンパーやローラーの選択肢が増える
他にもギミックバンパーを取り付けることで、コースへの引っかかりを減らす。
さらにバンパーレスにすることで、マシンの見た目としてもカスタマイズ性がアップするメリットもあります。
ただしバンパーカットでむずかしいのは、シャーシによって加工の仕方が違うこと。
なので同じバンパーを使う場合でも、カットラインが違ってくる点がむずかしい。
使うシャーシや使いたいバンパー形状に合わせて加工していくことで、ガタつきのない精度が良いバンパーにすることができます。

今回使用したバンパーの作り方は、以下の記事で紹介しています。
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