ミニ四駆でのローラーベースには、左右のローラー幅と前後のローラー幅があります。
特に前後のローラー幅については、「ローラーベース」とよばれることも。
左右も前後も、ローラー幅の違いによってマシンの走りに大きく影響してきます。
✅この記事の内容
- 左右のローラー幅
- 前後のローラー幅(ローラーベース)
- フロントローラーとリヤローラーの位置
この記事では、ミニ四駆のローラーベースについて。
左右のローラー幅と前後のローラー幅。
それぞれの最適なセッティングを、実際の走行と合わせて紹介します。
ミニ四駆は、ローラー幅によってマシンの走りが大きく変わってきます。
まず左右のローラー幅については、レギュレーションギリギリの105mmまで近づけるのが理想。
コースいっぱいにローラー幅を広げることによって、走行中にコース内でマシンがブレることも少なくなります。
また前後のローラー幅となるローラーベースについては、125mmを目安に取り付け。
さらにフロントローラーをタイヤに近く、リヤローラーを後ろ目なセッティングにするのが最適。
フロントがタイヤに近いことで、コーナー速度を落とさずに走行可能。
そしてリヤローラーを後ろ目にすることで、コーナーを抜ける時までしっかりと壁を捉えてくれています。
もちろんローラー幅の最適解は、マシンやコースによっても変わってきます。
しかし目安があることによって、マシンセッティングをする際の参考にはなります。
マシンに合ったセッティングにするためにも、取り付けるローラーと合わせて考えていくことが必要です。
おすすめのローラーについては、こちらの記事で紹介しています。
左右のローラー幅
105mmが理想
ミニ四駆のローラー幅のひとつが、左右のローラーの距離になります。
タミヤ公式のレギュレーションの中では、左右のマシンの幅は105mmまで。
コースの幅が115mmなので、その中に収まるサイズである必要があります。
しかし通常、パーツを取り付けない素組み状態のマシンであれば左右のローラー幅は90mm前後。
なので実際にコース内に収めると、だいぶ余裕があります。
このコース内での余裕を無くすためにも、左右のローラー幅としては105mmギリギリまで広げるのが理想になってきます。
左右のローラー幅が広いことによるメリット
走行ラインが安定
左右のローラー幅を105mmまで広げることで、コース内でマシンが安定したラインを走ることができます。
ミニ四駆は、コースの壁にローラーを当てながら走ります。
なのでコーナーでも、ローラーを当てながら壁に沿ってマシンは走ることに。
この時マシンの左右のローラー幅が狭いと、よりコースの外側をマシンが走ることになってきます。
しかし左右のローラー幅を105mmギリギリまで広げた場合、マシンはコースの内側を走行可能。
より内側でコーナリングできることによって、単純な走行距離としては差が出てきます。
短いコースではほんの少しの差になってきますが、長いコースであるほどその差も大きくなってきます。
LCが安定する
左右のローラー幅を広げることによって、LCでも安定した走行ができます。
ミニ四駆の立体LCは、上り下りをしながらの連続カーブになります。
LCでは、左右のローラーを壁に当てながらマシンに下向きの力を与えることが重要。
これによって、LCでコースアウトしないようなマシンの挙動になります。
しかし立体LCの最中は、右から左に車体の向きを変える瞬間があります。
この時、左右のローラーどちらも接触していない瞬間も。
この瞬間が、LCの中でも1番不安定なタイミングになってきます。
ただ左右のローラー幅を広げることによって、この時間を短くすることが可能。
すぐに壁にローラーを当てられる方が、マシンの挙動としても安定してきます。
左右のローラー幅を広げることによって、LCでも安定した挙動を保つことが可能になります。
LC対策については、こちらの記事で紹介しています。
105mmまで広げたことによる効果
実際に左右のローラー幅を広げてみても、マシンの走りにも変化があらわれます。
使用したマシンは、パーツをポン付けしただけのB-MAXマシン。
細かな加工もしていないので、パーツによる変化もわかりやすくなっています。
最初走らせていたマシンは19mmローラーの位置に13mmローラーを取り付けて、あえて左右の幅を狭くしていました。
これによってジャンプ直後の着地ではコース内に収まりやすいというメリットはありましたが、走行ラインとしては不安定でした。
しかし左右のローラー幅を105mmギリギリまで広げた場合は、マシンの走行ラインも変化。
特にコーナリング直後のDBなどでは、ジャンプ時の安定性も変わっていました。
左右のローラー幅が広がったことによって、コースの壁に弾かれる影響も変化。
より安定してジャンプ姿勢に入れることで、ジャンプ中や着地時の安定性にも差が出ていました。
左右のローラー幅を広げることで、コース内での走行ラインが安定。
ムダな走行が減るだけではなく、コース内でのマシンのブレも少なくなっていました。
ローラー幅を広げた走行については、こちらの記事で紹介しています。
前後のローラー幅(ローラーベース)
フロントとリヤのローラー幅
ミニ四駆のローラー幅というと、前後ローラーの間隔もローラー幅になってきます。
フロントローラーとリヤローラーの前後の間隔。
このローラー幅のことを、「ローラーベース」とよぶ場合も多いです。
ローラーベースは、フロントとリヤそれぞれのローラー取り付け位置やローラー径によって変わってきます。
より前目のフロントローラーと後ろ目に取り付けたリヤローラーの場合、ローラーベースは広く。
逆の場合は、狭いローラーベースとなってきます。
実際に素組み状態のマシンと、GUPを取り付けたマシンを比較。
2台を比べてみても、パーツによってローラーベースの長さが違ってくることはあきらかです。
この前後のローラーベースは、マシンの速さや安定性に影響してくる部分になります。
目安は125mm
一般的に、ローラーベースの目安は125mmくらいが良いといわれています。
125mmが良いといわれている理由は、マシンの速度や安定性から。
コースにおけるコーナーの角度や、ローラーが接触した時の負荷のかかり方などを力学的に考えると125mmが理想値にはなってきます。
ただし、あくまでも一般的な状況で考えた場合の適正値が「125mm」。
実際の最適解としては、マシンや改造によって変わってくる部分はあります。
フロントに「スライドダンパー」や「ピボットバンパー」を使っていた場合は、コースの壁との接触によって可動。
すると可動した場合、前後のローラーの幅としては変わってきます。
これはリヤバンパーの場合も同じで、「スライドダンパー」や「アンカー」の可動域によっても前後のローラーベースは変化。
125mmというローラーベースも、主にリジットバンパーが使われていた時に最適だったローラーベース。
ギミックバンパーが多くなった今のミニ四駆や、コースレイアウトによっても最適解は変わってきてしまいます。
ただローラーベース125mmというのが目安になることで、前後のローラーセッティングが考えやすくなっているのも大きなポイントです。
フロントローラーとリヤローラーの位置
フロントローラーはタイヤに近く
タイヤに近いことによるメリット
フロントローラーがタイヤに近いほど、マシンはコーナーでコースの壁に沿って走ることになってきます。
フロントローラーがタイヤに近い場合、マシンはコーナーでより壁に向かって走ることに。
するとマシンは、ローラーとタイヤが離れている場合に比べて外側を向くような走りになります。
普通マシンがコーナーを抜ける時、フロントローラーがコースの壁に当たります。
その反動によって、マシンの進行方向は内側向きに。
このマシンが内側に振られるタイミングが、ローラーベースが短いことによって変わってきます。
マシンがコーナーを抜けるギリギリまで外側を向いて走ることで、コーナー直後のマシンの向きも安定してきます。
なのでコーナー直後にDBやスロープなどのジャンプセクションがあった場合、マシンはより安定した状態でセクションに進入することが可能。
全体的な走りで考えた場合も、フロントローラーがタイヤに近い方がコーナーも速くなってきます。
フロントローラーとタイヤが離れるデメリット
フロントローラーがタイヤから離れている場合、マシンは左右に振られやすくなります。
前述の通り、マシンはコーナリング時にローラーが当たることによって走行ラインが変化。
コーナーに進入したマシンのフロントローラーが当たると、マシンは内側に弾かれます。
このマシンが内側に弾かれるタイミングが、フロントローラーがタイヤに近い場合に比べて早いことに。
内側に弾かれたマシンは、次に反対側のコースの壁へ。
そこからさらに、コースの反対側へと弾かれます。
このくり返しによって、マシンは左右に振られながらコーナーを抜けることになります。
なのでフロントローラーとタイヤが離れることによって、マシンはブレやすく不安定になってしまいます。
リヤローラーは後ろ目
リヤローラーをタイヤから離すメリット
リヤローラーがタイヤから離れていることによって、しっかり最後までコースの壁を捉えてくれています。
リヤローラーが後ろにあるほど、マシンがコーナーを抜け始めた直後もローラーはしっかりコースを捉えることに。
なのでローラーが壁から離れるタイミングも、タイヤに近い場合に比べて遅くなってきます。
これによって、ギリギリまでローラーがコースの壁に残ることが可能。
このタイミングが、コーナー直後のマシンの安定性にもつながってきます。
リヤローラーをタイヤから離すことによって、コースの壁を捉えてコーナーの抜けが安定してきます。
リヤローラーがタイヤに近いことによるデメリット
リヤローラーをタイヤに近づけた場合、マシンがブレやすくなってきます。
フロントとリヤが共にタイヤに近い場合、前後のローラーベースは短くなるのでコーナーでの速度は上がってきます。
なのでコーナリング速度だけみると、リヤローラーとタイヤが近いのはメリットに。
しかしリヤローラーがタイヤと近い場合、コースの壁から離れるタイミングも早くなってきます。
すると、コーナーを抜ける時のリヤローラーが離れるタイミングも早くなることに。
結果的にリヤローラーがコースの壁に残ってくれないため、コーナーを抜けた直後のマシンがブレやすく不安定になってしまいます。
ローラーとタイヤが近い場合、コーナーでの抜けは速くなります。
しかしリヤローラーはタイヤに近いほど、ローラーがコースの壁を捉えてくれないのでマシンの不安定さにもつながってきます。
前後のローラー位置を下げたことによる効果
フロントとリヤ共に後ろ目にローラーセッティングすることで、マシンの安定性に変化が出てきました。
実際に比較したのは、パーツをポン付けしたB-MAXマシン。
前後のローラーを13mm径から9mm径のローラーに変更することで、ローラーベースはそのままにローラー位置を後ろ目にセッティング変更しました。
フロントローラーがタイヤに近いことによる、コーナリング時の走りは変化。
しかしそれ以上に、コーナー直後のDBでの安定性に変化があらわれました。
リヤローラーの位置が後ろ目になったことによって、コーナー直後も最後までローラーがコースの壁に接触。
これによって、コーナー直後にマシンがブレることなくDBに侵入することができていました。
ローラー位置を変更する前後で比較してみても、DBでのジャンプ姿勢も変化していました。
前後ローラー共に、タイヤに近いほどコーナリング速度が上がるのは間違いありません。
しかし立体的なセクションの多い今のミニ四駆においては、より安定する後ろ目のローラー配置の方がメリットは大きくなっていました。
ローラー変更後の走行については、こちらの記事で紹介しています。
ミニ四駆のローラー幅 まとめ
ミニ四駆のローラー幅によって、マシンの走りは大きく変わってきます。
まず左右のローラー幅については、レギュレーションギリギリの105mmまで近づけるのが理想。
コースいっぱいにローラー幅を広げることによって、走行中にコース内でマシンがブレることも少なくなります。
また前後のローラー幅となるローラーベースについては、125mmを目安にセッティング。
さらにフロントをタイヤに近く、リヤを後ろ目なセッティングにすることで、コーナーが速く安定したセッティングにすることが可能に。
もちろんローラー幅の最適解は、マシンやコースによっても変わってきます。
しかし目安があることによって、マシンセッティングする際の参考にはなります。
取り付けるローラーの種類などと合わせて、マシンセッティングを考えていくことが必要です。
おすすめのローラーについては、こちらの記事で紹介しています。
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