ミニ四駆の改造に欠かせないのが、「ローラー」。
ローラーセッティングを変更するだけでも、マシンの速度や安定性が変わってきます。
それでも今のミニ四駆には、大きさや素材などローラーの種類もさまざま。
この記事では、いまミニ四駆を始めるのならこのローラーを使っておけば間違いないというものを厳選して紹介します。
✅おすすめのフロントローラー
✅おすすめのリヤローラー
ぼく自身、ミニ四駆をはじめたばかりの頃は、
結局どのローラーを使えばいいの?
と悩んだ経験があります。
なのでこの記事では、
「ここで紹介するローラーなら大丈夫!あとはマシンやコースに合わせて選んで!」
という部分まで落とし込んでいます。
さらに記事の中では、種類や取り付け方についても紹介しているので参考にしてください。
ミニ四駆のローラー
大きさによる違い
ミニ四駆のローラーは、ローラー径(大きさ)によってマシンがコースから受ける影響が変わってきます。
マシンがコースから受ける影響のひとつになるのが、コースのつなぎ目。
コースを組んだ時に多少の段差はできてしまい、この段差によってローラーがはじかれる場合があります。
段差によって影響を受けると、マシンの挙動や走りが変わります。
コースの片側に寄ってしまったり、そのままジャンプすると斜めに飛んでコースアウトしやすくなる可能性も。
ミニ四駆のローラーは、大きい方が段差の影響を受けづらいです。
これはタイヤの大きい自転車の方が段差を乗り越えやすいのと、同じ理屈。
ただ逆に、小さいローラーの方が衝撃に強いという違いがあるのも大切になってきます。
軸芯による違い
ローラーは軸となる中心部分の作りによって、ローラーの回転の良さが変わってきます。
ローラーの取り付け方としては、大きく2種類あります。
「真鍮+ビス」か「ボールベアリング+ビス」。
ボールベアリング内蔵のローラーの方が、回転性は良いです。
マシン速度を出すことができ、ローラーとしても長持ちします。
逆にプラローラーであれば、パーツを安く取り付けが可能。
しかしローラーとしての回転性や、耐久性の部分ではボールベアリング内蔵のローラーには敵いません。
マシンを速くする上では、ボールベアリングが付いているローラー一択。
ただしGTアドバンスのような制限がある場合、プラローラーも選択肢になってきます。
素材による違い
ローラーに使われている素材によって、マシンの速度や安定性が変わってきます。
ミニ四駆のローラーは、コースの壁に接触して機能するパーツ。
なのでコースの壁との接触面の形状や素材が、大きく特性を分けてきます。
プラスチックのように表面が滑るほど、ローラーの摩擦が少なくてマシンが速い。
逆に摩擦が大きいと速度は伸びませんが、ローラーがコースをしっかり捉えるのでマシンは安定してきます。
ローラーの素材によってマシンに与える効果も変わるので、コースに合わせて使い分けることが重要です。
プラスチック製ローラー
ミニ四駆のローラーとしてもっとも馴染み深いのが、「プラローラー」になります。
プラローラーとは、その名の通りプラスチック製のローラー。
キットを購入した時に付属しているローラーは、ほとんどがプラローラーになります。
プラローラーは、プラスチック製ということもあり滑りが良いです。
コースと接触した時の摩擦抵抗によって、速度を落とすことは少なくなります。
ただ強度が低く、長持ちしないのがデメリット。
プラローラーの消耗具合によっては、走行中にすっぽ抜けてしまう場合もあるので注意が必要です。
ボールベアリングローラー
ボールベアリングをそのままローラーとして使うのが、「ボールベアリングローラー」になります。
構造はボールベアリングなので、プラローラーよりも回転性が良いです。
さらに金属製のため、強度が高いのも特徴。
ベアリングは、ローラー側面が平らになっているものも多いです。
これによってコースへの食いつきが良く、すっぽ抜けにくいのもメリット。
ただローラー自体は金属ということもあり、重さがあるのはデメリットになってきます。
アルミベアリングローラー
今のミニ四駆多く使われているローラーが、「アルミベアリングローラー」になります。
アルミベアリングローラーは、小さいボールベアリングがローラーの中心。
その外周を、大きくアルミが覆っている形状になっています。
小さいボールベアリングは軽量で、回転しやすいのが特徴。
外周を覆うアルミも軽量で、プラなどに比べても強度があります。
ローラーの側面も3種類の素材があるので、コースやマシンによって使い分けことも可能になってきます。
アルミベアリングローラーの種類
オールアルミ | プラリング付き | ゴムリング付き |
オールアルミ
ローラー側面がアルミのままのローラーが、「オールアルミローラー」になります。
ローラーの側面までアルミなので、コースへの食いつきが良いのが特徴。
ローラーがコースをしっかり捉えることで、マシンも安定してきます。
オールアルミのサイズとしては、19mm〜13mm。
さらに穴あけ加工されることによって、軽量化されたオールアルミローラーも多く使われています。
コースへの食いつきの良さによって、LC対策用のローラーとしてもおすすめです。
プラリング付き
アルミベアリングローラーの側面がプラ製になっているのが、「プラリング付き」です。
軽量なアルミベアリングローラーに加え、プラ製ということでアルミよりも摩擦抵抗が少ないのが特徴。
コースと接触した時も滑りやすいので、コーナリングなども速くなってきます。
限定商品の中には、スポーク形状やプラリングの色の違いなどのバリエーションがあるのでマシンに合わせて選びやすくなっています。
ゴムリング付き
ローラー側面がゴム製になっているのが、「ゴムリング付き」になります。
フルカウルミニ四駆が多かった第2次ブームの頃は多く使われていたのが、ゴムリング付きローラー。
しかしゴムリングは摩擦抵抗が大きく、コーナーなどでも減速しやすいため今では使われる機会は少なくなりました。
ただローラーのサイズとしては、19mmと17mmがあります。
公式大会などのセクションに合わせたセッティングとして、他のローラーと組み合わせて使われる場合も。
あえてゴムリングの摩擦抵抗を利用することで、マシンの速度や安定性を調整することができます。
ローラーの取り付け方
フロントローラー
フロントローラーの取り付けでは、ローラーに角度をつける「スラスト角」が重要になってきます。
基本的にフロントバンパーは、ローラー取り付け部分が前方向へ斜め。
これによってローラーの軸が前に傾いて、車体を地面に押し付ける働きがあります。
さらにこの力を活かすためには、ローラー自体にも車体を押さえつける力が必要になってきます。
マシンを押さえつけるためには、ローラーにもある程度の摩擦やローラーの食いつきが必要。
なので滑りすぎるプラ製ローラーなどは、フロントローラーとして向いていないことになってきます。
ただフロントローラーの食いつきが大きすぎると、スラストがある分大きな減速につながってくる場合も。
なのでスラスト角の調整などで、セッティングを合わせる必要があります。
スラスト調整については、こちらの記事で紹介しています。
サイドステー
シャーシのサイド部分、サイドステーには、今はローラーを取り付けることはありません。
シャーシの前後タイヤの間にある、サイドステー。
昔はサイドステーにもローラーを取り付けていましたが、今では取り付けることはほとんどありません。
その理由になってくるのが、サイドローラーはまずコースに当たらないこと。
今のミニ四駆のセッティングとしては、フロントとリヤにローラーを取り付けることになります。
するとサイドステー部分は幅が足りないので、19mmなどの大きいローラーを取り付けてもコースまで届かないことに。
ローラーを取り付けても、コースに当たらなければあまり意味をなしません。
ただ重さが増すだけなので、昔のようにローラーとスタビを合わせて取り付けるセッティングはされることがありません。
今のサイドステーの場合、ローラーよりもマスダンパーなどの制振機能を取り付ける方が多くなっています。
リヤローラー
リヤローラーは、基本的に上下2段で取り付けるのが一般的になってきます。
リヤローラーは、フロントローラーと違って車体を押さえつける働きは必要ありません。
むしろ上下2段にローラーを配置することで、ローラーでバランスをとってマシンを支えるのが大切に。
そんなリヤローラーに求められるのは、マシンの速度に悪影響にならないローラー。
コースと接触した時の滑りが良いことや、段差に強いローラーがリヤには適してきます。
ただしLC対策などの場合は、一部食いつきの良いローラーが使われる場合も。
左右上下のリヤローラーの1箇所だけ食いつきの良いローラーにすることで、LCの対策としているマシンも多いです。
ミニ四駆のローラーセッティングについては、こちらの記事でも紹介しています。
ミニ四駆のおすすめローラー
フロントにおすすめのローラー
2段アルミローラーセット(13-12mm)
上下2段のアルミローラーによって、多くのマシンで使われているのが「2段アルミローラーセット(13-12mm)」になります。
アルミローラーということで、コースへの食いつきが良いのが特徴。
上下2段になっていることで、マシンの傾きにも強いローラーになっています。
2段アルミローラーセット(13-12mm)のメリット
- コースへの食いつきが良いアルミローラー
- マシンの傾きにも強い2段ローラー
- メインローラーが13mmで多くのマシンに使いやすい
2段アルミローラーセット(13-12mm)の気になるポイント
- スラスト角によっては減速しやすい
立体コースのLC対策としても、2段アルミローラーセット(13-12mm)はおすすめのローラーです。
商品リンク:タミヤ ミニ四駆グレードアップパーツシリーズ 2段アルミローラーセット 13-12mm
2段アルミローラーセット(9-8mm)
小径のフロントローラーとしては、「2段アルミローラーセット(9-8mm)」もおすすめです。
13-12mmの2段アルミローラー同様、コースへの食いつきが良いのでマシンが安定します。
2段ローラーでマシンの傾きに強いのはもちろん、ローラー径が小さいので13mmよりもタイヤ寄りに取り付けることが可能です。
2段アルミローラーセット(9-8mm)のメリット
- 食いつきや傾きに強い2段アルミローラー
- 9mm径で取り付け位置がフロントタイヤ寄り
- 13mm径ローラーよりコーナリングは速い
2段アルミローラーセット(9-8mm)の気になるポイント
- ローラー径が小さいので段差の影響を受けやすい
ローラー径によって、コーナー直後のDBやスロープのジャンプ姿勢などが変わってきます。
LC対策として効果的なのは同じなので、13-12mmの2段アルミと使い分けるのがおすすめです。
商品リンク:タミヤ ミニ四駆グレードアップパーツシリーズ 2段アルミローラーセット 9-8mm
ローラーベースによる走りの違いについては、こちらの記事で紹介しています。
2段アルミはLC対策に最適
実際にコースを走らせる中でも、2段アルミローラーを使うことでLCが安定してきます。
LCでのコースアウトは、マシンの速度が上がってくるほどむずかしくなるもの。
パーツをポン付けのB-MAXマシンの場合でも、モーターを変更しただけでLCでコースアウトしてしまうようになりました。
そこでフロントローラーを、13-12mmの2段アルミローラーに変更。
アルミローラーということによる、食いつきの良さ。
さらに2段ローラーによって、マシンが傾いた時の支えにもなるのでLCが安定するようになりました。
フロントローラーを2段アルミローラーにするだけでも、LCでの安定性は変わってきます。
ローラー変更時の走行については、こちらの記事で紹介しています。
リヤにおすすめのローラー
19mmプラリング付きアルミベアリングローラー(5本スポーク)
速度が伸びやすいリヤローラーとしておすすめは、「19mmプラリング付きアルミベアリングローラー(5本スポーク)」です。
ローラー側面がプラリングになっていることで、コースと接触した時の摩擦抵抗が少ない。
滑りやすいので回転性は良く、19mm径でコースの段差にも強いのが特徴になってきます。
19mmプラリング付きローラーのメリット
- プラ製なので速度を落とさない
- ベアリングローラーで回転性が良い
- 19mm径で段差の影響が少ない
19mmプラリング付きローラーの気になるポイント
- コースへの食いつきは弱いので安定性に欠ける
プラリング付き19mmローラーも、ローラーを支えるスポーク数によって強度は変わってきます。
ただ使いやすさや性能面でも、19mmのプラリング付きベアリングローラーはリヤローラーとしておすすめです。
商品リンク:タミヤ ミニ四駆特別企画商品 19mmプラリング付 アルミベアリングローラー 5本スポーク
13mmオールアルミベアリングローラー
マシンの安定性やLC対策を意識する場合は、「13mmオールアルミベアリングローラー」がおすすめです。
ローラー側面がアルミなのでコースへの食いつきがよく、LCなどでもしっかりコースを捉えてくれます。
またローラー取り付け位置が19mmより後ろになることで、ジャンプ時などの安定性にとってもメリットになってくる部分があります。
13mmオールアルミベアリングローラーのメリット
- アルミ製なのでマシンの安定性が良い
- LC対策としても多く使われている
- ローラー位置が後ろになることでジャンプ時も安定
13mmオールアルミベアリングローラーの気になるポイント
- プラリング付きに比べると摩擦の影響を受けやすい
普段走らせるコースとしては、立体LCのある3レーンがほとんど。
なので多少抵抗になるとしても、マシンの安定性の面で13mmのオールアルミベアリングローラーを取り付けておけば間違いありません。
商品リンク:タミヤ ミニ四駆グレードアップパーツシリーズ 13mmオールアルミベアリングローラー
LC対策については、こちらの記事で紹介しています。
スタビとしておすすめのローラー
17mmプラリング付きアルミベアリングローラー
ローラーの取り付け上限数の無い今のレギュレーションでは、ローラーをスタビとして取りつけることも可能です。
19mmローラーのような大径ローラーの場合、「17mmプラリング付きアルミベアリングローラー」がスタビとしておすすめ。
プラリング付きローラーの17mm径ということで、19mmローラーのスタビとしてピッタリ。
プラリングなので滑りやすく、スタビとしてコースと接触した時もマシンの減速に大きく影響しません。
17mmプラリング付きローラーのメリット
- ベアリングローラーなので回転性が良い
- 抵抗が少ないので走りに影響しない
- アルミローラーなのでそこまで重さがない
17mmプラリング付きローラーの気になるポイント
- プラ製のためスタビとしては食いつきが弱い
公式大会のような5レーンコースでは、19mm径のローラーがフロントローラーとして使われることも多いです。
そんな時に、フロントローラーのスタビとして17mmプラリング付きベアリングローラーがおすすめです。
商品リンク:タミヤ ミニ四駆グレードアップパーツシリーズ 17mmプラリング付 アルミベアリングローラー
830(850)ベアリング
小径ローラーを使う場合、「830(850)ベアリング」がスタビとしておすすめになります。
ローラーと共に取り付けるスタビには、マシンが傾いた時にコースと接触してマシンを支える働きがあります。
そんなスタビとして、金属製で食いつきの良い830や850ベアリングが適しています。
830(850)ベアリングのメリット
- エッジ(角)があるので食いつきが良い
- ベアリングなので回転性が良い
- 接触しても回転するので大きな減速にならない
830(850)ベアリングの気になるポイント
- 金属製ローラーなので重さはある
830や850ベアリングをスタビとして取り付ける場合は、小径ローラーがおすすめ。
湯呑みスタビと違って減速しないという部分でも、830や850ベアリングはスタビとしてもおすすめです。
商品リンク:タミヤ ミニ四駆用AOパーツ 830ベアリング 2個セット
商品リンク:タミヤ ミニ四駆用AOパーツ 850ベアリング 2個セット
830と850ベアリングについては、こちらの記事で紹介しています。
ミニ四駆のおすすめローラー まとめ
✅おすすめのフロントローラー
✅おすすめのリヤローラー
- LCを安定させたい→「13-12mm2段アルミ」「9-8mm2段アルミ」
- ローラーの抵抗を少なくしたい→「19mmプラリング付きローラー」
- LCでリヤローラーも当てたい→「13mmオールアルミローラー」
- 大径ローラーのスタビにしたい→「17mmプラリング付きローラー」
- 小径ローラーのスタビで使いたい→「830ベアリング」「850ベアリング」
もちろんこれ以外にも、マシンやコースに合ったローラーの種類はあります。
なのであとは、マシンやコースに合わせて選んでいけば良いだけ。
またベアリングローラーを使う場合は、「脱脂」をすることを忘れずに。
今回紹介しているローラーが、一般的なセッティングになってきます。
なので迷った時は、このローラーの組み合わせを使っておけば間違いありません。
ベアリングの脱脂については、こちらの記事で紹介しています。
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