スライドダンパーの機能としては、走行中の横からの衝撃を吸収する働き。
AT(オートトラック)とは、バンパーが持ち上がることでコースに乗り上げた時などにも復帰しやすくなる働きのこと。
「ATスラダン」とは、この2つの働きを持ったマシンの安定性を増すためのバンパーになります。
✅ATスラダンの作り方
- リヤブレーキステーの加工
- ATバンパーとしての加工
- ATスラダンの組み立て
この記事では、ATスラダンの作り方について。
治具を使わないかんたんな作り方を、スラスト抜け対策と合わせて紹介します。
今回、ATスラダンに使用したパーツはこちらです。
この他に、ビス穴拡張用として2mmと3mmのドリル。
さらに、ビスやナットなどを使って組み立てていきます。
今回はFRPを使用していますが、カーボンを使うことで軽くて強度のあるATスラダンにすることもできます。
またこのATスラダンをさらに加工することで、段下げスラダンにすることも可能。
基本の作り方は同じなので、マシンやコースに合わせてスライドダンパーを調整することができます。
段下げスラダンの作り方については、こちらの記事で紹介しています。
リヤブレーキステーの加工
1枚目はバンパー用として加工
今回ATスラダン用として、リヤブレーキステーを2枚使用。
そのうちの1枚は、バンパー用として加工していきます。
まずは、バンパーに使うリヤブレーキステーにAT用のビス穴をあけていきます。
このビス穴は、スライドダンパーを載せた時にATとして稼働するために必要となってきます。
穴あけのガイドとしては、もう1枚のリヤブレーキステーを使用。
ステーをガイドに、2か所ビス穴をあけていきます。
この時使用するドリルは、2mm径のドリルです。
ビス穴をあけた後は、皿ビスでスラダンを取り付けるので裏側を座グリ加工しておきます。
2枚目はスラダン取り付け用に加工
2枚目のリヤブレーキステーは、スライドダンパーを載せる用のプレートになります。
スライドダンパー用として使う場合、余分な部分が多くなってきます。
なので、干渉したりしてくる部分をカットしていきます。
余分な部分をカット後は、ほぼ四角い形に。
このプレートに、スライドダンパーを取り付けていきます。
スライドダンパーを載せる上では、皿ビス用の座グリ加工も必要に。
スライドダンパーの取り付け位置に該当する部分を、皿ビス加工しておきます。
商品リンク:タミヤ(TAMIYA) ミニ四駆グレードアップパーツ FRP リヤブレーキステーセット
ATバンパーとしての加工
5mmパイプ用に3mmに拡張
次にスライドダンパー用のプレートを、5mmパイプ取り付け用に加工していきます。
まずは、ATとして使うビス穴を3mmに拡張。
拡張するビス穴は、バンパープレートと重ねた時に合う部分になります。
拡張する穴には、2段アルミローラー用5mmパイプを通していきます。
なので、ビス穴を3mmに拡張する必要があります。
3mmでちょうどくらいの大きさなので、3.1mmくらいの大きさの方がスムーズに動かすことができます。
ATとして動くように斜めに加工
3mmに拡張したビス穴を、ATとして動くように斜めに加工していきます。
ATバンパーとして必要な可動域としては、前方向にスラストが入る動き。
さらに、ローラーがコースの壁に乗り上げた時などにいなすような動きも必要になってきます。
なので3mmに拡張したビス穴を、斜めに加工していきます。
それぞれ、斜めに動くように穴を加工していきます。
この時、3mmドリルや棒ヤスリなどで斜めに削っていくとやりやすいです。
削り過ぎてしまうとリカバリーが効かないので、少しずつ削っていくことが大切です。
ATスラダンの組み立て
スライドダンパーを取り付け
加工が終わったプレートに、スライドダンパーを取り付けていきます。
今回使用するのは、タミヤ純正のスライドダンパー。
通常品のスライドダンパーでも問題ありませんが、強度や軽さを考えるとカーボンステーの方がおすすめです。
スライドダンパーで使用するのは、プレートと上蓋だけ。
上下のカバーを使うとバンパー位置が高くなってしまうため、上蓋だけで固定していきます。
そのままの取り付けでも問題ありませんが、スムーズに動くようにするためには大ワッシャーを挟むのもおすすめ。
さらにマルチテープを貼ることで、バネが落ちる心配もありません。
座繰り加工した部分に皿ビスを通し、スライドダンパーを取り付けたらナットで固定。
この時のビスを長くすることで、フロント提灯と連動したATスラダンにすることもできます。
商品リンク:タミヤ(TAMIYA) グレードアップパーツ フロントワイドスライドダンパー
商品リンク:タミヤ ミニ四駆 40周年記念 HG フロントワイドスライドダンパー用 カーボンステー 2mm
フロント提灯の作り方については、こちらの記事で紹介しています。
ATバンパーとして取り付け
最後に、バンパープレートにスライドダンパーを取り付けていきます。
まずは、バンパープレートに12mm程度の皿ビスを通していきます。
そこへ2段アルミローラー用5mmパイプを、左右2個ずつ。
5mmパイプの上からスラダンプレートを通し、上からバネで固定。
最後にロックナットなどで固定すれば、ATスラダンの完成です。
組み上げ後は、動きの確認も忘れずに。
スラスト方向や左右方向にスムーズに動くことが、ATスラダンでは大切になってきます。
ATスラダンのスラスト抜け対策
ATスラダンのスラスト抜け対策としては、ATプレートの下でスラスト調整していきます。
ATスラダンは、走行中の負荷によってスラスト抜けが起きてしまう場合があります。
前部分がバネによって固定されているため、ローラーへの負荷によってバンパーが持ち上がってしまうため。
すると結果的に、スラスト抜けが起きやすくなってしまいます。
そんなスラスト抜けを抑えるためには、調整が必要。
スラスト抜け対策としての方法はいろいろあります。
- スラスト調整プレート
- ブレーキスポンジ
- 自作のスラストプレート
スラスト抜け対策だけでなく、スラストを足したい時などもバンパーの下に挟むことで調整が可能になってきます。
スラスト調整については、こちらの記事で紹介しています。
ATスラダンの作り方 まとめ
今回、ATスラダンに使用したパーツはこちら。
この他にビス穴拡張用として2mmと3mmのドリル、ビスやナットなどを使って組み立てています。
今回はFRPを使用していますが、カーボンを使うことで軽くて強度のあるATスラダンにすることも可能。
さらにタミヤ純正のスライドダンパーを使用しているので、このATスラダンをさらに加工することで段下げスラダンにすることもできます。
基本の作り方は同じなので、マシンやコースに合わせてスライドダンパーを調整することができます。
その他のATバンパーについては、こちらの記事で紹介しています。
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