ミニ四駆を楽しむために必要なのが、マシンの改造。
組み立てたマシンにさまざまなパーツを取り付けていくことで、速くかっこいいマシンに仕上げることができます。
それでも今のミニ四駆にはパーツの種類が多く、どこから改造していけばいいか悩んでしまう部分も。
ぼく自身、ミニ四駆をはじめたばかりの頃は、
どうやってマシンを改造していけばいいの?
と悩んだ経験があります。
なのでこの記事では、
「ここで紹介する改造をしていけば大丈夫!」
という部分まで落とし込んで紹介していきます。
実際にマシン+3000円のパーツ代でも、しっかりと速いマシンに改造することは可能です。
むずかしい加工もしていない、いわゆるパーツのポン付けマシン。
それでも速いモーターと安定性によって、ほとんどのコースを完走することはできます。
さらに記事の中では、改造の基本や改造の種類についても紹介しているので参考にしてください。
ミニ四駆の改造の基本
マシンを速くするための方法
モーター
モーターをより高性能なモーターに交換することで、マシンを速くすることができます。
ミニ四駆のモーターには、加速重視や最高速重視など種類があります。
通常のマシンキットに付属のモーターは、ノーマルモーター。
なのでどのタイプのモーターでも、ノーマルモーターから交換することでマシンを速くすることが可能です。
ただしマシンの速度が上がる分、コースアウトの確率も上がってきます。
コーナリング速度も上がるので、キット標準のセッティングではむずかしい場合も。
いきなり高性能なモーターに載せ替えてしまうと、コースアウトの確率が格段にアップ。
モーターを替えて速くなる分、マシンに合わせたセッティングも必要になってくる点には注意が必要です。
ミニ四駆のおすすめモーターについては、こちらの記事で紹介しています。
タイヤ
ミニ四駆の場合、摩擦抵抗の少ない硬いタイヤほどマシンを速くできます。
実車の場合は、タイヤのグリップ性能が重視されます。
しかしミニ四駆の場合は、タイヤのグリップ性能によってマシンの速さが変わってくる場合も。
グリップ力の高いソフトなタイヤの場合、コーナリング時などでもコースとの摩擦抵抗が大きくなってコーナリング速度は遅くなります。
逆に硬いハードなタイヤは、摩擦抵抗も少ないのでコーナリングが速い。
またタイヤの幅が狭いほど、コースとの接地面積が減ります。
これによって摩擦抵抗が減り、マシンの速度は上がることに。
さらに左右のタイヤの距離も、内輪差の影響で狭い場合の方が摩擦抵抗が小さくなります。
マシンの速さに直結してくるタイヤは、タイヤの素材はもちろん。
タイヤの形状やセッティングの仕方によっても、マシンの速さに大きく影響してきます。
ミニ四駆のおすすめタイヤについては、こちらの記事で紹介しています。
ローラー
ミニ四駆がスムーズにコーナーを駆け抜けるためには、ローラーが欠かせません。
ローラーも、種類によって性能が変わってきます。
ローラーの大きさや厚み、重さ、素材によって、コースへの食いつきの良さも変化。
中でもローラー性能の高さでいえばベアリング内蔵ローラーが回転性が高く、コーナリングでマシンの速度を落としづらいのが特徴です。
さらにローラーを取り付ける位置によっても、マシンの速さが変わります。
ローラー幅を規定である105mmギリギリまで広げる方が、コーナリング時により内側を走行することができて速く周回することが可能に。
ローラーもタイヤ同様、ローラーの種類と取り付け方が重要。
フロントとリヤでも適したローラーが変わってくるので、それぞれに合ったローラーセッティングが大事になってきます。
ミニ四駆のおすすめローラーについては、こちらの記事で紹介しています。
回転部分
マシンを速くするためには、回転する部分の軸をなめらかにすることも必要になってきます。
マシンの速さは、ローラーやシャフトの軸受け、ギヤなどの回転する部分のメンテナンスによっても変化。
回転軸の摩擦抵抗を減らすことで、マシンの速度にも良い影響となってきます。
代表的な方法としては、グリスアップ。
キットに付属しているようなグリスを適量塗ることで、スムーズに回転するようになります。
ただし塗りすぎてしまうと、逆に抵抗になって回転力が落ちてしまう場合もあるので注意が必要です。
さらに速いマシンを目指す場合は、ベアリング化も有効。
ローラーや軸受け、ギヤなどをベアリング化することで、駆動の際の摩擦抵抗を減らしてマシンを速くすることができます。
ミニ四駆のベアリングについては、こちらの記事で紹介しています。
重さ
ミニ四駆は、マシンが軽いほど速度も伸びてきます。
ミニ四駆は昔から、軽いマシンの方が速いというのは同じ。
プラスチック製のボディを肉抜きして、軽量化することでマシンを速くしていました。
ただし今のミニ四駆のボディとしては、ポリカーボネート製のポリカボディが主流。
プラボディに比べて圧倒的に軽く、塗装や加工も自由にできて使いやすいので多くのマシンで使われています。
マシンを軽くする改造としては、ボディ以外の部分もあります。
しかしマシンの大部分を占めるボディを軽くすることで、マシンが軽くなって速さにもつながってきます。
おすすめのポリカボディについては、こちらの記事で紹介しています。
マシンの安定性を上げる方法
ブレーキ
マシンの速度を抑えるために必要になるのが、ブレーキになります。
ミニ四駆もマシンが速くなると、ジャンプセクションなどで飛距離が出過ぎてコースアウトしてしまう場合が多いです。
なのでブレーキを取り付けることで、マシンの飛距離や飛行姿勢をコントロールする必要が。
ブレーキの効き具合は、ブレーキの種類や使い方によっても変わってきます。
コースと接するスポンジの滑り具合や面積、高さなどを調整することで、ジャンプ前の速度を制御することが可能に。
コースをギリギリクリアできる弱いブレーキにするか、安全第一の強力ブレーキにするか。
コースに合わせての見極めが、ブレーキセッティングでは必要になってきます。
ブレーキの種類については、こちらの記事で紹介しています。
マスダンパー
ジャンプ後の着地でマシンの跳ね上がりを抑えるためには、マスダンパーによる制振性が必要になってきます。
着地の時にマシンが大きく跳ね上がるほど、コースアウトの確率も高くなります。
なのでジャンプ後の着地の衝撃を、マスダンパーの位置や重さでコントロールすることが必要に。
マスダンパーの着地の基本は、すぐに加速できる状態で着地すること。
着地後にマシンが跳ねてしまうと、それだけで加速するのが遅くなってタイムロスにつながってきます。
さらに着地点によって、マスダンパーによる制振効果も変わる点には注意。
上り坂への前のめり着地や下り坂への尻下がり着地は、マスダンパーでも衝撃を吸収しきれずにマシンが跳ね上がってしまう場合があります。
マスダンパーについては、こちらの記事で紹介しています。
ミニ四駆の改造の種類
B-MAXマシン
ミニ四駆の改造の中で、初心者にも始めやすいのが「B-MAXレギュレーション」になります。
B-MAXレギュレーションの基本は、無加工での改造。
ボディの干渉やホイール貫通を除き、基本的にはパーツを取り付けるだけのポン付け改造です。
好きなマシンを選んで、好きなように改造していく。
パーツの加工などもないので、初心者にも参考にしやすい改造が多いのも大きなポイントになってきます。
いわゆるパーツのポン付け改造なので、ミニ四駆をはじめるのに最適なレギュレーションになっています。
B-MAXレギュレーションについては、こちらの記事で紹介しています。
GTアドバンスマシン
ミニ四駆の改造の中で、安く始めることのできる改造が「GTアドバンスレギュレーション」になります。
GTアドバンスレギュレーションも、基本は無加工での改造。
ただし使用できるボディが限られていて、ベアリングを使った改造もできません。
使用できるボディが限られてくる分、改造できるマシンも限定されてきます。
なのでパーツの取り付けには、苦戦する場合も。
しかしベアリングを使った改造ができないため、改造パーツにかかる費用としては安くなるのが魅力。
同じ無加工改造でも、GTアドバンスはB-MAXとは違った改造が必要になってきます。
GTアドバンスレギュレーションについては、こちらの記事で紹介しています。
オープンマシン
タミヤ公式のレギュレーション範囲内であれば、どんな改造でも可能になってくるのが「オープンマシン」です。
B-MAXやGTアドバンスとは違い、シャーシやパーツの加工がOKなのがオープンマシン。
今のミニ四駆の改造として多い「フロント提灯」や「ギミックバンパー」なども、パーツを加工することでマシンに取り付けることができます。
自由に改造ができる分、ミニ四駆としてのむずかしさは増してきます。
マシンやシャーシに合った改造ができていれば速くなりますが、改造の方向性を間違ってしまうとデメリットになってしまう場合も。
あくまでもミニ四駆の改造の基本がわかっているからこそ成り立つのが、オープンマシンのような改造。
ある程度ミニ四駆の改造に慣れてきてから始めてみるのがおすすめです。
初心者向けマシンの改造例
モーターはHD3モーター
今回のマシン改造では、「ハイパーダッシュ3モーター」を基準に改造を始めています。
ハイパーダッシュ3モーターというと、ミニ四駆のモーターの中でも速いモーターの分類。
キット付属のノーマルモーターがあり、その次に速いモーターがチューンモーター。
そこからさらに速いモーターになるのが、ハイパーダッシュ3モーターを含めたダッシュモーターになります。
ミニ四駆を改造する上では、少しでも速いマシンに改造していきたいもの。
なので速度の出るハイパーダッシュ3モーターを搭載し、その速度域に合わせて改造パーツを選んでいます。
速いモーターのマシンでも、コースアウトばかりしてしまっては意味がありません。
コースアウトせずに完走できるようにするためには、ローラーやブレーキなどの改造が必要になってきます。
商品リンク:タミヤ ミニ四駆グレードアップパーツシリーズ ハイパーダッシュ3モーター
フロントバンパー
ローラー幅を狭くセッティング
フロントバンパーのローラー幅は、あえて狭くセッティングしています。
フロントバンパーとして使用したのは、スーパーXシャーシ用のリヤステー。
バンパー自体は、トラスビスを使ってシャーシに固定。
さらにマスダンパー取り付け用の20mmビスを、シャーシの裏側から通して固定しています。
今回は19mmローラーの取り付け位置に、13mmボールベアリングローラーを取り付け。
これによって、マシンの横幅としては狭いセッティングになってきます。
マシンの横幅が狭くなることによって、コーナリングでは多少のロスは出てきてしまいます。
しかしマシンの横幅が狭い分、ジャンプ後の着地などでマシンがコース内に収まりやすくなるメリットも。
コース幅ギリギリのセッティングよりはコースに入りやすくなるので、コースアウトの確率を減らすことが可能になってきます。
商品リンク:タミヤ グレードアップ スーパーXシャーシ・FRPリヤローラーステー
フロントローラー
フロントローラーは、「13mmボールベアリング」と「ハイマウントチューブスタビ」の組み合わせになっています。
フロントローラーの重要な役割のひとつが、立体LC(レーンチェンジ)の攻略。
なのでパーツ予算の制限がなければ、フロントローラーとしては13-12mmの2段アルミベアリングローラーが最適になってきます。
しかし今回のような13mmベアリングローラーでも、LCの攻略は可能。
キット付属のプラローラーと比べても、金属製のためコースへの食いつきが良い。
なのでハイパーダッシュ3モーターの速度域でも、立体LCでしっかりコースをとらえて走ってくれます。
さらにハイマウントチューブスタビを取り付けることで、マシンの安定性もアップ。
マシンが傾いた時にスタビがコースと接触してくれることで、そのまま横転する確率を減らしてくれます。
13mm径ローラーとスタビの組み合わせは、この先のミニ四駆の改造でも欠かせない組み合わせになってきます。
商品リンク:タミヤ ミニ四駆グレードアップパーツシリーズ ミニ四駆ローラー用 13mmボールベアリングセット2
商品リンク:タミヤミニ四駆グレードアップパーツ ハイマウントチューブスタビセット
マスダンパー
マシンの制振性アップのため、「ARシャーシサイドマスダンパー」をフロントとサイドに分けて取り付けています。
ジャンプ後の着地などの安定性に欠かせないのが、マスダンパー。
今回は、ARシャーシ用サイドマスダンパーのボウル型をフロントに。
シリンダー型をサイドマスダンパーとして使用しています。
フロントは、バンパーに通した20mmビスにマスダンパーを取り付け。
サイドマスダンパーは、付属の説明書通りの取り付けとしています。
さらにビスの先端部分は、付属のスタビポールでビスが飛び出さないようにしています。
フロントとサイドにマスダンパーを分けて取り付けることで、フロントタイヤの跳ね上がりを抑えるようなセッティングになっています。
商品リンク:タミヤ グレードアップパーツシリーズ ARシャーシ サイドマスダンパーセット
リヤバンパー
リヤローラー
リヤは、既存のバンパーとローラーをそのまま使用しています。
ローラーの取り付けには、25mmの長いビスを使用。
上下ローラーの間に3mmのスペーサーを挟むことで、素組みの時よりも少しローラー間隔を広げての取り付けをすることができます。
またローラーの取り付けには、ハイマウントチューブスタビとFRPに付属していたツバ付きの真鍮を使用。
ツバ付きの真鍮と大ワッシャーでローラーを挟み、しっかりグリスアップすることでローラーとしてもしっかり回ってくれます。
リヤバンパーとしての強度不足はありますが、必要に応じてFRPなどで補強することで強度を補うこともできます。
リヤブレーキ
ハイパーダッシュ3モーターを使う上では、リヤブレーキの取り付けが欠かせません。
リヤのブレーキとして、FRPリヤブレーキステーを取り付け。
取り付けはトラスビスで2箇所だけなので、強度面では多少不安な部分もあります。
しかしハイパーダッシュの速度域で完走するためには、ブレーキでの速度制御が必須。
付属の2mmブレーキを貼るだけでも、バンクでブレーキを効かせないバンクスルーも可能になってきます。
スロープでしっかり当たるように調整することで、ブレーキとしての役目をしっかり果たしてくれます。
商品リンク:タミヤ ミニ四駆グレードアップパーツ リヤブレーキステーセット
バンクスルーについては、こちらの記事で紹介しています。
ボールリンクマスダンパー
リヤ用のマスダンパーとしては、「ボールリンクマスダンパー」を使用しています。
ボールリンクマスダンパーの場合、通常の置き型のマスダンパーとは取り付け方が違います。
振り子式のマスダンパーのため、リヤバンパーの取り付け部分にボールリンクのビスを使って取り付け。
しかし通常の取り付けでは、リヤバンパーと干渉してしまいます。
なので、ハイマウントチューブに付属していた30mmビスを使用。
3mmスペーサー3個と1.5mmスペーサー1個で、マスダンパーの稼働部の長さを確保しています。
ボールリンクマスダンパーの制振性能は高いので、リヤタイヤの跳ね上がりをしっかりと抑えてくれます。
商品リンク:タミヤ グレードアップパーツシリーズ ボールリンク マスダンパー
ミニ四駆初心者向けの改造 まとめ
ミニ四駆初心者の改造としては、まずはパーツをポン付けするB-MAXマシンがおすすめです。
マシン+パーツ代3000円でも、しっかりとした改造が可能。
パーツを取り付けることによる走りの違いがわかりやすいので、その先の改造のための経験も得ることができます。
あとは改造をしていく中で、好みのパーツを選んでいけば良いだけ。
キットマシンの改造を進めていくごとに、ちょっとした加工から始めていきたい気持ちにもなります。
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